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高山 裕介; 佐藤 大介*; 菊池 広人*
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 29(2), p.101 - 111, 2022/12
放射性廃棄物の地層処分施設の緩衝材への利用が検討されているベントナイトの膨潤特性を把握するために実施される膨潤圧試験では、給水開始後の時間経過とともに単調に膨潤圧が増加する場合以外にも、一度増加した後に低下する場合など様々な結果が報告されている。本研究では、複数の異なる初期含水比の供試体を用いて膨潤圧試験を実施し、試験中のX線CT測定により、膨潤圧が単調に増加する場合および一時的に低下する場合における供試体内部の湿潤密度分布の時間変化を把握した。その結果、吸水圧縮挙動の発生の有無やその大小が膨潤圧の経時変化の形状に影響を与えることを明らかにした。具体的には、膨潤圧試験において供試体内部での吸水圧縮による変形量が大きいほど試験途中における膨潤圧の一時的な低下量が大きく、吸水圧縮による変形が生じない場合は単調に増加するものと推測された。
高山 裕介; 菊池 広人*
土木学会論文集,C(地圏工学)(インターネット), 77(3), p.302 - 313, 2021/09
放射性廃棄物の地層処分施設の緩衝材への利用が検討されているベントナイトの膨潤特性を把握するため、これまでに数多くの膨潤圧試験が実施されてきた。本研究では、膨潤圧試験でしばしば観測される飽和に至るまでの過程で一度膨潤圧が低下する現象の原因を明らかにするため、X線CT測定による膨潤圧試験中の供試体内部の観察により、膨潤圧の経時変化と供試体の状態変遷の関係の把握を行った。その結果、膨潤圧が一度低下する期間において、供試体内部で吸水圧縮挙動が生じていることが観測され、これにより膨潤圧が低下したものと推測された。さらに、複数の異なる荷重条件に対して膨潤変形試験を実施した結果、膨潤圧と同等からやや小さい荷重条件においても、飽和に至る過程で圧縮挙動が生じることが確認された。これらの試験データは、再冠水時の処分施設の力学的な状態変遷を評価するための連成解析コードの検証のためのデータとしての活用が期待される。
藤田 隆明; 鎌田 裕; 石田 真一; 閨谷 譲; 及川 聡洋; 井手 俊介; 竹治 智; 小出 芳彦; 諫山 明彦; 福田 武司; et al.
Nuclear Fusion, 39(11Y), p.1627 - 1636, 1999/11
被引用回数:93 パーセンタイル:91.89(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60U負磁気シア放電の運転領域を、高プラズマ電流、低安全係数領域へと拡張し、JT-60Uにおける等価エネルギー増倍率の記録1.25を2.6MAにて達成した。ビームパワーによる中性子発生率の帰還制御など、大きな半径の内部輸送障壁を保ちつつ低安全係数へと再現性良く到達するための運転手法を開発した。排気付きW型ダイバータ配位において不純物の低減を得た。Lモード境界の負磁気シア放電の性能の持続時間は、qの極小値が2近傍となったときに発生するベータコラプスにより制限された。トロイダル回転制御により一時的に内部輸送障壁を劣化させて熱パルスを誘起し、Hモードを得た。Hモード化により圧力分布を平坦化してqの極小値~2における安定性を改善し、内部輸送障壁を5.5秒間維持した。
藤田 隆明; 鎌田 裕; 石田 真一; 閨谷 譲; 及川 聡洋; 井手 俊介; 竹治 智; 小出 芳彦; 諫山 明彦; 福田 武司; et al.
IAEA-CN-69/EX1/2 (CD-ROM), 8 Pages, 1999/00
JT-60Uの高プラズマ電流(低q)の負磁気シアー放電により高い核融合性能が得られ、熱核融合反応が主となる条件でDT換算核融合エネルギー増倍率1.25を達成した。高性能を得るためには、広い負磁気シアー領域を保ったままで、q~2の低q領域に到達することが重要であり、その過程においては圧力分布・電流分布の制御により安定性を確保した。排気付W型ダイバータ改造後の実験においては不純物の低減を得て、核融合性能を向上した。Lモード境界の負磁気シアー放電においてはq~2で発生するベータコラプスにより高性能の持続時間が規定されたが、プラズマ回転の制御により内部輸送障壁を一時的に弱めることによりHモード遷移を誘起し、Hモードによる圧力分布の平坦化により低q領域における安定性を向上した。ELM付Hモードの負磁気シアー放電により、高閉じ込めの内部輸送障壁を5.5秒間維持した。
福田 武司; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 2(6), p.2249 - 2255, 1995/06
被引用回数:11 パーセンタイル:46.34(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60における最近の準定常高性能化を目指した実験では、再現性の高い放電で昨年世界最高を記録した最高核融合積を更新するとともに、最高値の約4割の性能を1.5秒間維持することに成功した。これは加熱分布と平衡配位の動的な制御、圧力勾配に起因する不安定性の抑制を行ったことによる。高性能化の第1の鍵となる内部輸送障壁の生成に関しては、加熱分布とトロイダル回転分布の影響を重点的に調べた。また、第2の鍵であるH-モード遷移については、イオンの衝突度の役割を明らかにすとともに長波長の乱流流揺動が低減することを初めて実験的に示した。準定常化の鍵となる圧力勾配に起因する不安定性の抑制に関しては、磁気シアーとトロイダル回転速度分布の制御が有効であることを示した。また、これらの知見に基づいて行った自発電流の割合が高いプロセスの長時間維持に成功したので、この実験結果についても述べる。
竹治 智; 鎌田 裕; 小関 隆久; 石田 真一; 滝塚 知典; 閨谷 譲; 徳田 伸二; JT-60チーム
22nd European Physical Society Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics,Vol. 19C,Part IV, 0, p.4.033 - 4.036, 1995/00
JT-60Uにおいて世界最高の核融合積を達成した高ポロイダルベータ(p)Hモードは、高pモードとHモードの両方の閉じ込め特性の長所を合わせもつ。高p放電では、局所的なMHD崩壊(ミニコラプス)によるプラズマ周辺部での圧力上昇によってpコラプスが回避され、高p Hモードへと誘導される場合がよく観測されている。そこで、本研究では、ミニコラプスに着目し、そのMHD特性を明らかにすることを目的とした。実験解析の結果、ミニコラプスは高pモード時に生じる輸送障壁の形成後に起こり、その発生位置は輸送障壁の形成位置と一致することが分かった。不安定性の成長時間は理想MHDの時間スケールである。そして、理想MHD安定性解析の結果、輸送障壁の発生に伴って形成される急峻な圧力勾配に対して、バルーニングモードが不安定となることが示された。